「山装う」季節の到来です

kanttl秋が深まり、夜はめっきり肌寒く、朝夕の露がいっそう冷たく感じられる頃です。日が短くなり、太陽はあっという間に沈んでしまうことから、「秋の日はつるべ落とし」と言われます。 秋は夕暮れ時の風や虫の声に風情を感じます。野山は秋色に染まり、自然の景色は穏やかに深みを増していく「山装う」季節の到来です。 「寒露」は次の「霜降」までの間の10月8日から10月22日頃までの期間です。

skehai iwasikumo 鰯雲:季節の移ろいによって雲の形も変わります。秋には鰯雲や巻雲が姿を現します。秋の雲は高い上空にでき、そのせいで空は高く見えるのです。

■七十二候の区分

syokou kansyokou 鴻雁来(こうがん、きたる):10月8日から10月12日頃まで。 春にやってきたつばめが南へ帰るころ、入れ違いになって雁が隊列を組んでやってきます。渡り鳥の行動が我々に季節の移り変わりを知らせてくれます。
sjikou kanjikou 菊花開(きくのはな、ひらく):10月13日から10月17日頃まで。 秋の花の代表である菊が咲き始めるころです。春に植え、夏に育て、秋に花が咲くというサイクルが稲の栽培に似ているといわれます。
matukou kanmakkou 蟋綷在戸(きりぎりす、とにあり):10月18日から10月22日頃まで。 秋虫が戸口で鳴き始めるころです。コオロギやキリギリスが鳴き始めます。秋の夜長は寿々のような虫たちの声を楽しみにしては如何でしょう。

■旬のもの

syokuzai

hokki ほっき貝:北海道が主産地であり、「北に寄った」貝であることから北寄貝と書いたといわれます。成長すると9センチほどにもなる大型貝で、ミネラル成分を豊富に含みます。甘味の強い味で、10月~3月が旬。
hataata はたはた:淡白で身が引き締まっており、歯触りのよい卵も美味です。子持ちのはたはたの旬は10月中旬から2月ごろまで。秋田名物のしょっつる鍋が有名です。
sisya ししゃも:「ししゃも荒れ」という木枯らしが吹くころに漁が始まる。獲りたてが味わえるのは10~11月だけです。
matutake 松茸:万葉集にも香りのよさが歌われるほど古くから慕われてきました。土瓶蒸しや焼き松茸、炊き込みご飯で食べるのが最高です。
siitake 椎茸:天然ものはシイの枯れ木に生える。流通するものの大半は栽培ものだが、全国の山に自生します。
akebi あけび:熟すと自然と皮が割れる「開け実」が転じ、あけびになったという説が有力です。割れた果実の白い部分を食べます。ビタミンCが含まれていて肉詰めやみそ炒め等に利用されます。
ringo リンゴ:国内栽培で最も多いのが「フジ」。カリウム、ペクチン、ビタミンCなどが豊富で「1日1個のりんごは医者を遠ざける」と言われるほどです。
kuri 栗:栗は種子が肥大化したものでナッツの一種です。でんぷんが多いヘルシーな食材です。植物繊維も多く、ゆで・蒸し・焼きなどと、様々に楽しめます。
ginnan ギンナン:硬い殻を割ると現れるムッチリと詰まった実。加熱するとツヤツヤと輝く深い黄色に変わります。

mikaku

ohagi ■ぎんなんの茶わん蒸し:秋の味覚『銀杏』がおいしい茶碗蒸しです。 □材料 (4人分)銀杏    12個えび    2尾鶏肉    適量 生しいたけ    1枚 冷凍枝豆(みつばの代わりです)    適量 卵    3個 すだち    適量 ★水    2カップ半 ★市販の白だし    大さじ1と1/2 ★酒    大さじ1 ★醤油    小さじ1/2 ★塩    1つまみ □手順: 1     銀杏は殻をむき、鍋にひたひたのお湯を沸かし転がしながら薄皮を剥きます。 2     銀杏と茹でたえび(1/2にスライスしたもの)、茹でた鶏肉、しいたけのスライス、枝豆(三つ葉が無かったので)を用意します。 3   ★印をつけたものをひと煮立ちさせ粗熱をとってから溶いた卵を入れて裏ごしをしておきます。 4     えびと枝豆以外の具材を器に入れ、3を静かに流し入れます。 5    蒸しあがったら、えび、枝豆、すだちを飾って出来上がりです。

syachou

gan 雁:鋭い隊列を組んで飛ぶ水鳥。つがいの結びつきが強く、一方が死ぬまでつがい関係が維持されます。家族群を単位として合同誌、それが集まって大群を作ります。 昼間は安全な池や沼などで過ごし、早朝などに水田地帯に飛来して稲の落穂などを食べます。
uzura うずら:まだら模様の丸っこい体つきをした小さなキジ類。家禽として卵や肉などをとるために飼育されます。
manaturu マナズル:冬になると北から飛来します。目の周りは赤く、白いほっかむりをしたような模様が印象的です。翼を広げると2mの大きさになります。
koorogi コオロギ:この季節、枯れ草が目立つ草むらや畑に摘まれた草などをよけるといっせいに飛び出してめいめいに走り出します。ほとんどは夜行性であり、よく通る声で鳴く声は、秋の夜長によく響きます。
kirigiri キリギリス:夏には昼も夜も「ギーチョン」という間延びした鳴き声が聞こえてきます。人の気配を感じると隠れてしまうので捕まえにくい。玉ねぎをぶら下げてキリギリスを釣る遊びが昔から知られています。

skusa

kiku 菊:平安時代より薬草や観賞用植物として使われていました。菊花を皇室の御紋としたのは、後鳥羽上皇の頃で、正式に定めたのは明治2年のことです。戦後は誰でも自由に使うことができるようになりました。
nanakama ナナカマド:山に自生するほか街路樹でも見られます。初夏に白い小花が咲き、秋に紅葉、真っ赤な実が房なりに。

sgyouji

juusanya 十三夜:十三夜は13夜とも表記をしますが、日本の古来からある年中行事の一つで、月がきれいな日・夜を意味します。元々旧暦の9月13日に綺麗な月を愛でるお月見の行事でした。十三夜の名前の意味は、新月から数えて13日目のお月さまを意味することから名づけられました。十三夜は日本固有のイベントです。2021年は10月18日の秋も深まった二十四節気の寒露の時期が十三夜です。十三夜は元々、収穫を行っている真っ只中である旧暦の9月13日に行うものであることから、秋の収穫のお祭として根付いたのではないかと呼ばれています。 十五夜を中秋の名月や芋名月と呼ぶように、十三夜にも「後の月」という別名があります。十三夜の月へのお供え物等 十五夜のお月見ではお団子をお供えしてお月様を見るというのは昔からの決まりのようになっていますね。 十三夜もお団子をお供えしてお月見をする習慣はあります。 また、この時期旬を迎える栗やブドウと言った果物、名前の由来にもなっている豆を備えることもあるようです。 また、お月見のイラストなんかでよく見る、「ススキ」もお供えをするようです。 ススキは、お米の秋の収穫をお願いするという意味で、穂の出た稲穂に見立て飾るという習慣があります。 また、ススキは茎が空洞なので、神様がいらっしゃる、神様の依り代とも考えられてきました。 そのため、悪霊や禍から収穫物を守り、翌年の豊作も願うという意味を込められています。

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