夏から秋に移り行く頃です

syottl 8月の後半にさしかかると、日中は相変わらずの残暑が続きますが、朝夕は暑さが収まり、過ごしやすくなってきます。空は澄んで高く、風は爽やかになっていることに気づかされる頃です。「処暑」は次の「白露」までの間の8月23日から9月7日頃までの期間です。

skehai yukiai 行合の空:夏から秋に移り行く中で夏の暑気と秋の冷気が入り交じるように行き合う空のことです。ゆく季節とくる季節が一体となった風情ある空です。

■七十二候の区分

ssyokou syoko 綿柎開(わたのはなしべ、ひらく) 8月28日から9月1日頃まで。 綿を包むはなしべが開き、中からふわふわの綿毛が姿を現すころ。これをほぐして綿の糸を紡ぐ作業が始まる。
sjikou jikou9 天地始粛(てんち、はじめてさむし) 8月28日から9月1日頃まで。 日中は厳しい暑さが続くが、朝夕は少しずつ涼しくなり、天気図には秋雨前線が現れ、秋の気配が現れ始める。
smatukou makko9 禾乃登(こくのもの、すなわちみのる) 9月2日から7日頃まで。 稲穂が膨らんで黄金に色づき、早いところでは稲刈りが始まる。台風が来襲してくる時期でもある。

■旬のもの

sgyokai

sanma さんま: すべてが国産で天然物という貴重な魚です。8月に獲れる北海道~三陸産は脂がのって美味です。七輪に網を載せってもうもうと煙をたなびかせて焼いたさんまの美味しいこと!
iwasi イワシ: 暑さが増すにつれて脂が乗って美味しくなります。味噌や薬味を刺身にたたき込んだナメロウは暑い時期にピッタリの食べ物です。
simaaji しまあじ:伊豆諸島でよく獲れる高級魚で、大きなものは1mを超えるものもあります。刺身はもちろん、江戸前の握りの人気のネタです。
kasago かさご: 近年では高級魚とされ、引き締まった新鮮な白身は、刺身や洗いとして食されます。

syasai

konasu 小茄子: 重さ10~20グラムの丸形をした小さななすで、浅漬けやからし漬けの漬物によく使われます。山形県産の「民田なす」という品種が有名です。
satumaimo サツマイモ: 中国から宮古島へ渡ったのが始まりで、その後九州で栽培され「薩摩の芋」として定着しました。食物繊維が豊富なので便秘に効果があると言われています。

mikaku

kuzu くずきり: 葛粉を水で溶かして加熱し、冷やして固めたものをうどんのように細長く切った食べ物。一般的にデザートとして食べられます。

smusi

suzume スズメバチ: 活動の最盛期を迎えたスズメバチがアシナガバチを食べに来る時期。最も危険な時期なので絶対に近づかないように注意しましょう。
matumusi まつむし: 立てたハネを震わせて「チンチロリン」と歯切れよい声で鳴きます。すずむしに似ていて、混同されることが多かった。近年は数が減少していて、都市部ではその鳴き声を聞く機会が減ってしまっています。

syacho

sasagoi ささごい: 夏鳥として飛来し、「キュウ」と鋭い声で鳴きます。主に川や池、水田などの水辺で生活します。立ち止まって待ち伏せし魚を見つけると首をさっと伸ばして挟み取ります。
mozu もず: 色々な鳴き方をするうえ、カエルや虫を捕まえて枝に刺す「モズのはやにえ」という不思議な習性を持っています。

skusa

waremo ワレモコウ: 赤に見えない地味な色合いから「我も紅」と名付けられたそうです。控えめな姿が愛らしく人気が高い。
hageito 葉鶏頭: 日が短くなってくると、葉が茎の先端の方から赤く鮮やかに色づき始めます。花は緑色で葉の付け根に球形にかたまって咲くので、ほとんど目立たない。日本では古くから観葉植物として栽培されています。

skajitu

nasi 梨: 日本原産の日本梨、ヨーロッパの洋梨、中国梨があり、それぞれの品種も豊富です。「幸水」「豊水」「二十世紀」などさまざまな品種があります。
シャキシャキとした瑞々しい食感がおいしい。
sudachi すだち: 果汁が多く酸味があり、酢のかわりに使われてきました。かぼすより一回りほど小さい。生産量の全国第一位は徳島県。
豊富なビタミンCを含んでおり、焼き魚などの秋から冬の料理を引き立てる名脇役となります。

sgyou

hassaku 八朔:⼀⽇(ついたち)のことを「朔⽇(さくじつ)」ともいいます。⼋朔とは⼋⽉の⼋、⼀⽇の朔から、⼋⽉⼀⽇の略称でもあるのです。
旧暦の8⽉1⽇は、新暦の9⽉上旬頃をいいこの時期になると稲穂が実り始め、収穫を待つ頃となります。2018年の⼋朔は9⽉10⽇になります。
⼋朔は別名、「⽥の実の節句」とも⾔われています。
「⽥の実」が「頼み」と同じ読みから、⽥の神様に豊作を祈願する⽇となりました。
またこの時期には、農家でお世話になっている⽅々に初穂を贈る習わしがあり、それらが次第に武家や公家にも伝わり、恩義のある⽅に贈り物をする⾵習が始まりました。
⼋朔は⼆百⼗⽇から⼆百⼆⼗⽇と並んで「農家の三⼤厄⽇」の⼀つでもあり、災害の多い時期の象徴でもあります。
また、「⼋朔祭り」とは、作物が天災に遭わずに実るように五穀豊穣を祈り祈願する⾏事です。
瀬⼾内では「⾺節供」とも称されていたようで、⼋朔の⽇に⾵の被害に合わないように祈願する「⾵祭り」が⾏われる地⽅もあるようです。
この時期はちょうど稲が実るころとなりますが、⽇本に台⾵が到来する時期と重なり、農家には悩みの種といわれています。
そこで「⼋朔祭」には神様にお供えをし、奉納踊りや奉納相撲をしたりして、天災に遭わずに作物が実ることを祈願するのです。

smaturi

kazebon おわら風の盆: 二百十日の初秋の風が吹くころ、おわら風の盆の幕開けを迎えます。毎年9月1日から3日にかけて行われるこのおわら風の盆は、今も昔も多くの人々を魅了します。
涼しげな揃いの浴衣に、編笠の間から少し顔を覗かせたその姿は、実に幻想的であり優美です。それぞれの町の伝統と個性を、いかんなく披露しながら唄い踊ります。
この風の盆は、「元禄15年(1702)3月、加賀藩から下された「町建御墨付」を八尾の町衆が、三日三晩歌舞音曲無礼講の賑わいで町を練り歩いたのが始まりとされています。
どんな賑わいもおとがめなしと言うことで、春祭りの三日三晩は三味線、太鼓、尺八など鳴り物も賑々しく、俗謡、浄瑠璃などを唄いながら仮装して練り廻りました。これをきっかけに孟蘭盆会(旧暦7月15日)も歌舞音曲で練り廻るようになり、やがて二百十日の風の厄日に風神鎮魂を願う「風の盆」と称する祭りに変化し、9月1日から3日に行うようになった」と言われます。
二百十日の前後は、台風到来の時節。昔から収穫前の稲が風の被害に遭わないよう、豊作祈願が行われてきました。その祭りを「風の盆」というようです。また、富山の地元では休みのことを「ボン(盆日)」という習わしがあったと言われます。種まき盆、植え付け盆、雨降り盆などがあり、その「盆」に名前の由来があるのではないかとも言われています。

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