小満って?

少し満足(あるいはほっと一安心)という意味合いかもしれません。
農耕が主だった時代には、秋にまいた麦の種などが、ちょうど穂をつける時期でもありました。穂が出始めた麦を見て「今年は順調に育っている」と、ほっと一安心(少し満足)したという説があります。

七十二候や二十四節気では5月21日ごろから6月4日ごろまでを「小満」と呼び、陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂る。つまりは、全てのものがしだいに成長して、天地に満ち始める頃を表した言葉です。

七十二候では「初候」、「次候」そして「末候」に分けられています。
初候は「蚕起きて桑を食う」(蚕が、桑の葉をいっぱい食べて育つころ)
次候は「紅花栄う」(紅花がいちめんに咲くころ)
末候は「麦秋至る」(麦が熟して、収穫するころ)

ちょうどこの時期には、「木の葉採り月」という別名があります。
「このはとりづき」と読み、陰暦4月の異名で蚕に食べさせるための桑の葉を採る月という意味だそうです。
「田毎の月」、「五月晴れ」、「衣替え」、「麦嵐」といった言葉はこの時期の兆しとして使われることばです。

・「田毎の月」は、万葉集にも詠まれた長野県更級(さらしな)郡冠着(かむりき)山のふもとの小さな水田の一つ一つに映る名月のことで田植えの頃にしか見られない風景です。万葉集にも詠まれています。
冠着山は姥捨て山とも呼ばれ、いにしえより姨をこの山に捨てた男性が、名月を見て後悔に耐えられずに連れ帰り、さらに連れ帰り隠していた姨の知恵によって、殿様の出す難題を解決。その後、老人を大切にしたと伝えられているそうです。
・「麦嵐」とは、初夏、麦の収穫の頃に吹きわたるさわやかな風。麦の秋風とも言います。
「五月晴れ」「衣替え」は説明するまでもないでしょう。

例によって旬の魚介などの紹介もしておきましょう。

◆旬の魚介 きす、クルマエビ、べら

kisu kurumaebi

akabera
◆旬の果実 びわ
biwa

◆旬の野菜 そらまめ、しそ

soramame aosiso

◆旬の虫 てんとうむし
tentoumusi

◆旬の野鳥 しじゅうがら
sijuugara

◆旬の草花 紅花
benibana_008

◆旬の行事 三社祭、潮干狩り
改めて説明するまでもないでしょう。最近潮干狩りができる浜辺が少なくなったようです。 三社祭も潮干狩りに行ったのは遠い昔のことです。

 

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