春の兆しが現れ始めます

risttl節分の翌日に迎える立春は、冬から春に移る時期です。厳しい寒さも立春まで、少しずつ日足が伸び気温が上がり始め、木々は芽吹き、生き物たちの目覚めも間近です。 旧暦では、一年の始まりは立春。寒さのピークもここまでです。梅の花が咲き始め、少しずつ春の兆しが現れ始めます。 この頃の気温が寒い日が3日続いた後、暖かい日が4日続き、寒暖を繰り返す「三寒四温」を経て季節は春に向かっていきます。 「立春」は次の「雨水」までの間の2月3日から2月18日頃までの期間です。

skehai yukidoke 雪解:北国では雪解けはまだまだ先の話ですが、天候によっては急に雪解けが始まることもあります。春を告げる美しい言葉です。

■七十二候の区分

syokou rissyokou 東風解氷(はるかぜ、こおりをとく) 2月3日から2月8日頃まで。 東から暖かい風が吹き始め、張り詰めていた厚い氷を溶かし始めるころ。春の気配が少しずつ感じられるようになります。
sjikou risjikou 黄鶯睍睆(うぐいす、なく) 2月9日から2月13日頃まで。 春の訪れを告げる鶯の美しい鳴き声が聞かれます。年の最初に聞く鶯の声を【初音】といいます。
smakkou rismakkou 魚上氷(うお、こおりをいずる) 2月14日から2月18日頃まで。 暖かさを感じ始めた川の魚が動き始め、割れた氷の下から飛び出すような時期です。渓流釣りが解禁となる地域もあります。

■旬のもの

syokuzai

asatuki あさつき: ネギの一種ですが、「浅葱」と書くように、ネギよりも色が薄いのが特徴です。古くから葉と球根を食用としていて、色や香り、辛みを生かして和食全般に使用されています。
takana 高菜: カルシューム、カロテン、葉酸などの栄養素を含む、若干の苦みがる葉は、炒め物などに使われます。塩漬けにして発酵させた高菜漬けは有名です。
hagobou 葉ゴボウ: 関西地方では春を告げる野菜として馴染みです。シャキシャキとした食感の葉は和え物や天ぷらなどに最適です。
iseebi 伊勢海老: 熱帯域の浅い海に生息し、かつ伊勢湾で多く採れたためこの名がつけられた。刺身や焼きものなど和食に多く用いられるが、グラタンなどの洋風の料理にもあいます。祝いの料理や正月飾りなど、慶事に欠かせない食材です。
itoyori いとより: 赤や黄、金銀の筋が入る魚で、焼き物、煮物、吸い物などに用いられます。鮮度がよいものは刺身で食べると美味。
torafugu トラフグ: 天然トラフグが美味しいのは冬~産卵期にあたる2月の頃です。このころには白子もふっくらとします。透き通るほどの薄造りにしたものが「てっさ」です。
ichigo 苺: 旬は12月~5月ごろ。ビタミンCが豊富に含まれていて、甘酸っぱくおいしい。へたと反対側の先端の方が鮮度が高いので、へた側から食べると最後まで甘味を楽しめます。

smikaku

inaririsusi 稲荷すし:  甘すぎないじゅ~し~ないなり寿司。ほおばったときに汁がじゅわっとたまりません。濃い味のお揚げが好きな方は、煮汁を、砂糖大3・しょう油大3・みりん大2に増やして下さい。

材料(10~14個分位)●油揚げ    5~7枚(大) ●しょうゆ    さじ2 ●砂糖    大さじ2 ●みりん    大さじ2 ●だしの素    小さじ1/ ●水    カップ1と1/2 ●米    2合 ○酢    大さじ4 ○砂糖    大さじ3 ○塩    小さじ1 お好みで混ぜますゴマ・ガリ・みょうがを混ぜます。

■作り方

①  米をやや硬めに炊く。酢・砂糖・塩をよく混ぜて砂糖・塩を溶かす。油揚げをまな板にのせ、上からお箸をころころ転がす(開きやすくなる)。

② 半分に切って熱湯に入れて1,2分茹でて油抜きする。ザルにあげてあら熱を取り、手ではさんで水気を押し絞る。

③ 鍋に●印の材料と油揚げを入れ、中弱火で落としぶたをして煮る。煮汁が少し残るくらいで火を止め、そのまま冷まし残りの汁を吸わせる。

④ すし酢を大さじ1別にしておく。ご飯が炊けたら、すぐにお釜の中ですし酢を回しかける。ざっくり混ぜてしめらせた飯台にあける。

⑤ 時々上下を返してうちわであおいで人肌に冷ます。ゴマ・ガリ(みじん切り)・みょうが(千切り)などを散らしてサックリ混ぜる。

⑥ 別にしておいたすし酢を少し手につけ、すし飯をふんわりたわら型ににぎっておく。油揚げの煮汁を手のひらで軽く押して絞る。

⑦ すし飯をそっと油揚げに詰め、形を整えて完成。ぎゅうぎゅう詰めにしないほうが口当たりがいいです。

⑧ 口を下にして閉じたものと、口を上にして中身が見えるものと2種類作ってみました。

⑨ すし飯にきゃらぶきを混ぜ込んでお弁当に入れました。

⑩ エビの佃煮を混ぜ込みました。

⑪ 春バージョン錦糸卵と菜の花を飾りました

★コツ・ポイント 油揚げは煮汁が残ってる状態で火を止め、煮汁につけたまま冷ますと残った汁を吸ってじゅーしーでふっくらしたお揚げになります。お揚げは多めに作って、冷凍保存もできますよ。 酢飯には他に、大葉やガリ、ひじきの煮物などをまぜこんでもおいしいです。

syachou

mejiro めじろ: 目の周りが白いのが特徴で、集まって花の蜜をついばむ姿が愛らしい。
uguisu うぐいす: 美しい鳴き声で春の訪れを知らせてくれます。藪を好む小鳥で、鳴き始めに高低のある声が特徴で谷渡りと呼ばれる長く続く声も出します。

skusa

ume 梅: 日本へ渡来した当時は薬用にするため、果実を収穫することが目的だったそうです。現在のように花を観賞するようになったのは8世紀ごろからだそうです。
asebi アセビ: 日本原産で日当たりの良い山地に自生します。スズランのような花が咲き誇るさまは万葉集にも登場します。

sgyouji

hatuuma 初午:「初午(はつうま)」は、現在では2月最初の午の日で、2021年は2月3日にあたります。 奈良時代(711年)に京都の伏見稲荷大社に祀られている、五穀をつかさどる 農業の神様が、稲荷大社に鎮座されたのが初午の日だったところから、毎年その日に伏見稲荷大社で「初午祭(はつうまさい)」が催されるようになり、 「初午詣(はつうまもうで)」として五穀豊穣を願ってお参りをするようになったそうです。そして、その神様のお使いがきつねだったことから、好物 である油揚げや、米俵に見立てたいなりずしなどをお供えしました。この行事は、全国の稲荷神社や道端や屋敷神のお稲荷さんでも行われています。 子供の頃、祖母宅の小さな祠のお稲荷さんに油揚げやおだんごを供えていた のを覚えています。 ところで、なぜ、きつねの好物が油揚げと言われるのでしょうか。 それは昔、きつねを捕まえる時に好物のねずみの油揚げ(天ぷら)を餌と して使っていたところから、お供えが豆腐の油揚げになり、「きつねの好 物は油揚げ」となったようです。 いなりずしは、「お稲荷さん」、「きつねずし」とも言われ、関西では 三角形、関東では俵型に作られます。
harikuyou 針供養:針供養(はりくよう)とは、折れたり、錆びたり、曲がったりして使えなくなった針を豆腐やこんにゃくなどに刺して供養する行事です。 針供養は、2月8日、または12月8日に行われる行事なので、2021年も同様です。東日本では2月8日、西日本では12月8日に行うことが多かったようですが、地域に関わらずどちらか一方の日に行うところや、両日行うところもあります。 針供養の起源は定かではありませんが、中国の「社日(土地の神様をまつる日)に針線(針仕事)を止む」という習わしに起因するという説があります。平安時代には貴族の間で行われるようになったと考えられており、江戸時代に針の労をねぎらい裁縫上達を願うまつりとして広がりました。針仕事は女性にとって重要な仕事だったため、折れた針や古くなった針に感謝の気持ちを込めて柔らかい豆腐やこんにゃく、もちに刺し、川に流したり、土に埋めたり、神社に納めたりして供養し、裁縫の上達を願いました。 豆腐など柔らかいものに刺すのは、これまで硬い生地などを刺してきた針に対し、最後は柔らかいところで休んでいただきたいという気持ちや、供物としての意味があるといわれています。昔はそれぞれの家庭で針供養を行っていたそうですから、豆腐やこんにゃくに針を刺し、身の回りの道具を大事にする気持ちを大切にしてはいかがでしょう。

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