秋分です

sybttl昼夜の長さが同じになる秋分を迎えると、季節は少しずつ冬へと向かいます。中秋の名月はこのころで、収穫がひと段落した人々は、虫の音に包まれながら空を眺め、月が出てくるのを待ったのだという。稲刈り後の田の脇には彼岸花が咲き、夜空の月が人々を癒してくれます。「秋分」は次の「寒露」までの間の9月23日から10月7日頃までの期間です。

skehai inekari 稲刈り:実りの秋に一大行事を迎えるのが米農家です。豊かに実った稲を借り入れ、かられた稲は稲木にかけられて天日干しされます。整然と稲木が並ぶ光景も秋の風物詩のひとつです。

■七十二候の区分

syokou sybsyokou 雷乃収声(かみなり、すなわちこえをおさむ)9月23日から9月27日頃まで。 夏の間、夕立のころに鳴っていた雷が収まるころ。降りた露が白く光って見えるころ。入道雲が消え、澄んだ秋空に穏やかなイワシ雲が広がります。
sjikou sybjikou 蟄虫坏戸(むし、かくれてとをふさぐ)9月28日から10月2日頃まで。 寒さが少しずつ増し、元気に飛び回り、鳴いていた虫たちが、巣ごもりの支度を始め、土の中へと潜っていきます。
matukou sybmakkou 水始涸(みず、はじめてかるる) 10月3日から10月7日頃まで。 収穫の秋も最盛期を迎え、どの田んぼからも水が抜かれて涸れる時期です。干した稲藁が風にたなびく風景が美しいときです。

■旬のもの

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magarei まがれい:東シナ海から北日本海の砂底や岩礁地帯に生息し、甲冑類や二枚貝などをエサとします。裏面に目立つ黄色の線があり、黄色が強いほど鮮度が良い。味がよく、刺身や煮付けにすると美味です。
saba さば:日本の沿岸に分布するマサバとゴマサバの2種類があるが、秋に旬を迎えるのがマサバ。塩焼き、竜田揚げ、煮付けなどに最適。
modori 戻りガツオ:秋に太平洋を南下するのが戻りガツオ。初ガツオより脂が取っていて、身はもっちりです。「トロガツオ」とも言われます。
satoimo 里芋:里で採れるのでこの名がついたとされ、稲作より早く縄文時代から食べられていたと言われます。独特のぬめりは植物繊維で便秘予防になると言われます。
syoga しょうが:ヨーロッパでは香辛料や薬用として、中国では漢方にも利用さえ増す。生で食べるのは日本独特の習慣だそうです。殺菌作用や風邪の予防に効果があるといわれます。
budou ぶどう:奈良時代に日本に伝わったとされます。皮の色によって、赤系、黒系、緑系に分けられます。疲労回復やエネルギー補給に適していると言われます。
房の上の軸に近い部分が一番甘いそうです。
ichijiku イチジク:身の中に花が咲き、外から見えないので「無花果」と書かれます。植物繊維が多く古くから薬用とされるほど薬効に富んでいます。
zakuro ザクロ:旧約聖書や古い医学書にも登場し、健康、美容に酔いとされます。
kaki 柿:「柿が色ずくと医者が青くなる」と言われるほど栄養が豊富な果物です。冬の風邪予防にもぴったりです。

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ohagi おはぎ:「普通のご飯で簡単おはぎの作り方」を紹介しましょう。
普通のご飯(うるち米)と片栗粉で作るもち米なしのモチモチおはぎです。麦飯や雑穀米でもOKです。きなこはあんこ玉入り。
■材料 (あんこ6個+きなこ4個)
ご飯    450g(お茶碗3杯、約1.3合)
片栗粉    40g
水        40cc
あんこ    (市販でも手作りでも)    340g
きなこ    適宜
砂糖    きなこの半量~同量
塩        ひとつまみ
■作り方
1    ご飯は白米でも麦飯でも雑穀米でもOKです。うちでは麦2:米8の麦飯を使っています。
2    ご飯に片栗粉と水をふり入れ、しゃもじでよく混ぜる。ラップしてレンジであつあつになるまでチン。鍋の場合は弱火にかけ蒸らす。
3    しゃもじでモチモチ感が出るようによく混ぜる。
4    すりこぎで軽く粒々をつぶす。
5    粗熱が取れたら、手に水をつけ、10個に丸める。1個50gくらい。
6    【きなこ版】きなこと砂糖と塩を器に混ぜておく。砂糖の量はお好みで。
7    あんこ玉を丸める。1個10gくらい。
8    手に水をつけて、ご飯玉の真ん中を深くくぼませ、あんこ玉を入れる。
9    周りのご飯で包む。
10    きなこをよくまぶす。
11    【あんこ版】手を水で濡らし、あんこを手のひらに取り、うすく広げる。1個あたり50g弱。
12    ごはん玉を乗せてあんこを引っ張るようにして包み込む。裏側が足りなければあんこを足す。
13    できあがり。あんこ6個ときなこ4個できました。
■コツ・ポイント
・包むたびに毎回手を濡らすのがポイント。
・あんこは粒あんでもこしあんでも。
・今回はきなこ4個、あんこ6個ですが、お好みで。あんこの量はきなこ版には10g、あんこ版には50gが目安。

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mozu もず:鋭いくちばしをもった小型の鶏です。昆虫やムカデ、蛙などの小動物を見つけると舞い降りてきてくちばしで捕えます。
kitutuki きつつき:一般にきつつきと呼ばれていますが、アカゲラ、コゲラなど「~ゲラ」と呼ばれる鳥の総称です。いずれも木の幹をくちばしで叩いて穴を掘り、中の虫を長い舌で捕えて食べます。
akatonbo 赤とんぼ:涼しくなると山などの高地から降りてきて、丁度収穫を終えた水田などに産卵します。群れを成して飛ぶアキアカネを指すことが多い。鮮やかな赤に変化するのはオスなのだそうです。

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keitou 金木犀:普段は目立たないが、小さなオレンジ色の花が咲くとあたり一面に香りが漂い、存在をアピールします。
higanbana 彼岸花:秋彼岸にに咲き、真っ赤なめしべ、おしべを広げる姿が見られます。別名「曼殊沙華」とも言われます。

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akihigan 秋のお彼岸:秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として前後3日間、計7日間が「お彼岸」の期間となります。
2019年の今年は、
9月20日(金) 彼岸入り
9月23日(月・祝) 中日(秋分の日)
9月26日(木) 彼岸明け
となります。
「お彼岸」という言葉に馴染みがないという方でも、春は3月、秋は9月にお墓参りをするのはご存知かも知れません。
それほど日本文化に定着している「お彼岸」ですが、もともとサンスクリット語の「パーラミター」が語源であると言われています。
「パーラミター」は仏教用語ですが仏教にとって重要な概念です。仏教の概念として用いられる場合、欲や煩悩、苦しみに満ちた輪廻の世界から解脱し、迷いのない悟りの境地に達することを表します。
この悟りの境地を、川を挟んだ向こう岸、すなわち「彼岸」に例えたのが私達日本人の伝統行事「お彼岸」なんです。反対に、私達の生きる煩悩の世界はこちら側の岸「此岸(しがん)」と呼ばれています。日本古来の自然観や先祖崇拝の影響から、亡くなった家族やご先祖は迷いのない「彼岸」へと渡り、時々私達の生きる此岸に姿を現すと考えられるようになりました。春分の日と秋分の日には、太陽が真東から上り真西へと沈みますが、それによって彼岸と此岸とが通じやすくなり、これらの時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福を祈るとともに、自らもいつか迷いのない此岸に到達できるよう願ったのです。
彼岸と此岸(あの世とこの世、すなわちご先祖と私たち)とが交流する行事なのです。

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