文化の日には、どのような意味があるのでしょうか。また、文化の日が「明治の日」といわれる理由も解説していきます。
文化の日の意味
文化の日には、国民の祝日に関する法律によると「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という意味が込められています。文化を進展させる日という意味があるため、音楽や美術などの芸術に触れたり、実際にやってみたり、古くから伝わる文化を学んだりすると良いかもしれませんね。
文化の日が「明治の日」ともいわれる理由
文化の日は、「明治の日」とも呼ばれます。これはなぜなのでしょうか。
文化の日は、戦後に定められた祝日です。それ以前、11月3日は「明治節」と呼ばれる祝日で、明治天皇の誕生日を祝う日でした。この明治節は昭和23年に制定された国民の祝日に関する法律で「文化の日」という名称に変わり、現在に至ります。
明治節が文化の日になった理由は、敗戦後にまでさかのぼります。当時、日本を占領していたGHQは、天皇と国民のつながりを弱めるため、明治節を廃止しました。
その後、11月3日を憲法記念日にする動きもあったのですが、国にとって重要な憲法記念日を、明治天皇の誕生日を祝う日に据えることに対して、GHQが反対しました。よって、明治節は、目覚ましく文化が発展した明治時代を象徴するような「文化の日」になったのです。
こういった経緯があったことから、文化の日は「明治の日」とも呼ばれています。
大正天皇の誕生日は祝日ではない
大正天皇の誕生日は8月31日なのですが、祝日にはなっていませんでした。その理由は、大正時代が短かったことや、大正天皇の誕生日を祝日として残そうという動きがなかったことが考えられます。
文化の日に開催されるイベント
文化の日には、全国各地でさまざまなイベントが行われます。どのようなイベントがあるのか、見てみましょう。
文化勲章授与
11月3日の文化の日には、文化勲章授与が行われます。文化勲章は「我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与」される勲章です。受章者は、皇居で天皇陛下から文化勲章を受け取ります。これまで、ノーベル賞を受賞した吉野彰さんや山中伸弥さん、俳優の仲代達矢さん、小説家の河野多恵子さんなどが受章しています。
美術館や博物館のイベント
美術館や博物館といった文化施設の多くで入場料が無料になります。例えば、都内では、国立科学博物館や国立西洋美術館、国立科学博物館附属自然教育園などが無料になります。また、それらの施設でイベントも開催されます。
家族でお出かけして、さまざまな文化に触れてみてはいかがでしょうか。
学術祭・文化祭
文化の日には、学校や地域などで学術祭や文化祭、芸術祭が開かれます。そのなかでも大規模なイベントが、文化庁などが主催する「国民文化祭」や「全国障害者芸術・文化祭」です。こうしたイベントでは、演劇や音楽演奏、美術作品などが発表されます。
「清流の国ぎふ」文化祭2024(第39回国民文化祭、第24回全国障害者芸術・文化祭)
文化の日に子どもとしたいこと
文化の日には、親子で文化や芸術に触れてみてはいかがですか。文化の日の過ごし方と、おすすめのアイテムをご紹介します。
本を読む、読書
文化の日を中心にした2週間は、「読書週間」でもあります。本の読み聞かせをしたり、読書をしたりして過ごすのもおすすめです。ここでは、日本や世界の文化が学べる2冊をセレクトしました。
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