2024年05月18日 アーカイブ

デジタル時代に最適な「メモの取り方」

”手書きとタイピング、本当に効率がいいのはどっち?デジタル時代に最適な「メモの取り方」”という記事に接しました。少し長い話になりますが、ご辛抱のほどを。

電子書籍や動画、音声コンテンツなど、スマホを使えば時間と場所を選ばずにインプットができる時代に私たちは生きています。
便利になる一方で、情報を理解して自分で咀嚼するためには、ひと手間の工夫も欠かせません。そこで「メモを取る」というプロセスが必要になってきます。
今回は、今だからこそ活用すべき効果的なメモのとり方について考えます。皆さんのお役に立てれば幸いです。

”写真やスクショで残せるのに、メモを取るべき理由はこれまでメモは出来事を記録したり、要約する役割を担ってきました”

しかし、デジタルツールの普及により、スクリーンショットや録音・録画など、もっと簡単かつ手軽に記録ができるように。加えて、それらデジタルデータであれば、何度でも見直すことも可能です。

また要約に関しても、ChatGPTといった強力なツールが登場しました。果たして、このような時代に、あえてメモをとる必要はあるのでしょうか?

スタンフォード・オンラインハイスクール校長の星友啓さんの著書『脳を活かすスマホ術 スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)では、メモをとることの重要性を以下のように述べています。

【メモやノートを取ることは、記録を残しておくこと以上に、学んだ内容をいったん頭に入れて脳を動かすという働きです。

このポジティブな作用は、効果的なインプットには欠かすことができません。

「スクショ」や「GPT要約」が習慣になってしまうと、ついついメモやノートを取らなくなってしまい、そのせいで脳のゴールデンタイムを自ら手放してしまいかねないのです。】

スクショやChatGPTに頼り切ってしまうと、インプットの時間がただのタスクに終わってしまう可能性があります。だからこそ、学んだことを自分の頭で考えて咀嚼するために「メモ」が必要なのです。

手書きとデジタルを使い分けるのがコツ

では現代において、メモはどのように取るのがいいのでしょう? 昔ながらにノートにペンで手書き?それともPCやスマホにタイピング、フリック入力?

どちらの方が効率がいいのか、気になりますよね。星さんによれば、答えは「ケースバイケース」だそうです。

まず、「読むインプット」の時は手書きが効果的だと言われています。読んでいる時には、自分で読む速度を変えられる。

読みながら、同時にメモを取る人はあまりいませんよね。そこで、読むことをいったん止めて、それからメモを書くわけですが、この時に読んだ内容を脳で咀嚼することができるわけです。

本などのテキスト情報の良いところは、自分のペースで読み進められること。理解が追いつかなければ前のページに戻って確認することもできます。
そんな「読むインプット」では、自分のスピードで理解を深められる手書きのメモが効果的とのこと。手書きメモのメリット:「読むインプット」が効果的になる。

では、タイピングやフリック入力が適しているのはどのような場面なのでしょうか。

一方、授業やプレゼンなどで人の話を聞いている時には、タイピングが効果的です。

もちろん、タイピング慣れしていることが前提ですが、パソコンやタブレットでタイピングをする方が、手書きよりも断然速くメモを取ることができます

だいたい平均で2~3倍くらいの速さの違いがあると言われています。

読書と違って、講義やセミナーの場合は、聞くインプットが中心。講師の話すスピードに合わせてメモをとらなければなりません。その際、手書きだとどうしても時間がかかってしまいます。メモを一生懸命に取るあまり、大事なことを聞き逃してしまう可能性も。

なので、スピードの面で有利なデジタルメモの方が向いているわけです。

また、保存と検索が容易という点でも、デジタルメモにはメリットがあります。紙のノートだと、どんどん量が増えていきますし、過去の記録を探すのに時間もかかってしまいます。

デジタルメモのメリット:速くメモができる、保存検索が簡単
これらを踏まえて、自分のペースで学ぶ時は手書きで、セミナーや講座ではスマホやPCにテキストで記録するなど、メモのとり方を使い分けると良いでしょう。

手書きにしかできないことは、まだある”ちなみに、筆者は基本的にノートにメモするタイプ。タイピングがそこまで早いわけではなく、タイプミスも多いので、修正しているとあれよあれよという間にメモが追いつかなくなってしまうのです。”

とはいえ、PCもタブレットもスマホも持っているのに、なぜわざわざ手書きでノートに書くのだろうと改めて考えてみました。

手書きの効果について調べるなかで、『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』(ライダー・キャロル著・ダイヤモンド社)の一節が腑に落ちたので紹介します。

ペン先を紙に置いたとたんに、頭と心が直接つながる回路が生じる。これはまだデジタル空間では再現できていない。

だからこそ、今日まで、さまざまなアイディアが紙に書いたメモから生まれてきたのだ。ノートを使うもうひとつの理由?それは、柔軟性だ。

たとえばエクセルなどのソフトウェアはじつに便利だけれど、決まり切った特徴のなかでしか機能しない。

また特定の機能に秀でているモバイルアプリは、利便性に限りがある。どちらの場合においても、あなたはデジタル側が選んだ枠組みのなかで操作しなければならない

たしかに、手書きなら繰り返し出てきた内容に矢印を引っ張ったり、大事な言葉に線を引いたりするなど、簡単にビジュアルで残すことができます。

情報を感覚的に残せるのは、自由自在に動かせるペンとノートの余白あってのことなのでしょう。思ってもいなかった気づきを得たり、瞬時に事象と事象を結びつけたりできるのは手書きならではの価値だと感じます。

今後、テクノロジーがさらに発展しても、人間の体の機能は大きく変化しません。自分の可能性を最大限に生かすために、インプットの目的と状況に応じて、メモのとり方を使い分けてみてはいかがでしょうか。

お疲れついでに、数独で頭の体操をチャレンジしてみませんか。

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