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朝夕は涼しくなる時節です

syottl8月後半にさしかかると、日中は相変わらずの残暑が続くが、朝夕は暑さが収まり、過ごしやすくなってきます。空は澄んで高く、風は爽やか、濃く短かった影が長く軟らかくなていることに気が付きます。本来の七夕はこのころなのです。「処暑」は次の「白露」までの間の8月23日から9月7日頃までの期間です。

skehai syokehai 行合の空:夏から秋に移り行く中で、夏の暑気と秋の冷気が入り交じるように生き合う空のことです。入道雲がわき上がる空に、はけで空を優しくなでたような巻雲や、魚のうろこのような鰯雲が姿を見せ始めます。

■七十二候の区分

syokou sysyokou 綿柎開(わたのはなべし、ひらく)8月23日から8月27日頃まで。

綿を包む柎(はなしべ)が開き、中からふわふわの綿毛が姿を現すころ。これをほぐし綿の糸を紡ぐ作業が始まります。

sjikou syjikou 天地始粛(てんちはじめて、さむし)8月28日から9月1日頃まで。

日中は厳しい暑さが続くが、朝夕は少しずつ涼しくなり、天気図に秋雨前線が現れて、秋の気配が現れ始めます。

matukou symakkou 禾乃登(こくもの、みのる) 9月2日から9月7日頃まで。

稲穂が膨らんで黄金に色づき、早いところでは稲刈りが始まります。台風が襲来してくる時期でもあるので注意が必要です。

■旬のもの

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sanma サンマ:すべてが国産で天然物という貴重な魚です。8月に獲れる北海道~三陸産は脂が乗っていて美味です。
simaaji しま鯵:高級魚であり、アジの仲間では最もおいしいと言われています。名前の由来は幼魚のときに体に黄色い横縞があることから来ているそうです。岩手県宮古以南の沿岸に生息して、特に八丈島や伊豆七島のものが珍重されます。/span>
iwasi イワシ:暑さが増すにつれて脂が乗って美味しくなります。味噌や薬味を刺身にたたき込んだナメロウは暑い時期にピッタリの食感です。
sinsato 新里芋:冬場の大きな里芋とは一味違う瑞々しさが特徴です。丸ごと茹でて皮をつるりとむいて食べる、衣かつぎがお勧めです。/span>
konasu こなす:V重さ10~20グラムの丸形をした小さいなすで、浅漬けやからし漬けの漬物によく使われます。秋が深まると、果肉が締まってより美味しくなります。山形県産の「民田なす」という品種が有名です。
satumaimo さつまいも:中国から宮古島に渡ったのが始まりで、その後、九州で栽培され「薩摩の芋」として定着しました。干ばつに強くて収穫量が多く、凶作を救う作物として全国に広まりました。植物繊維が豊富なので便秘に効果があると言われます。
nasi 梨:日本原産の日本梨、ヨーロッパの洋梨、中国梨があり、それぞれ品種も豊富です。シャキシャキとした瑞々しい食感がおいしい。「幸水」「豊水」「二十世紀」など様々な品種があります。
sudachi すだち:ゆずに似た似た果実であり、枝にはトゲがあります。さわやかな香りは、焼き魚や土瓶蒸しなど、素材の味わいを引き立たせるような料理に合います。生産量のほとんどが大分県産です。

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kuzukiri くずきり:きな粉と黒蜜をかけて甘味として食べるとおいしいくずきり。くずきりは、京都・祇園の300年ほど続く、老舗和菓子店である「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」というお店が発祥のようです。

■くずきりの原料くずきりのは、くず粉からできています。くず粉は葛という植物の根を砕き、水で洗ってでんぷん質を沈殿させます。水とでんぷん質が別れたら、水を捨ててでんぷん質を乾燥させれば葛粉のできあがり。

葛粉はくずきりの他、水まんじゅうなどにも使われ、料理ではとろみをつける片栗粉と同じような役割としても使用されます。ごま豆腐を固めるのにも葛粉が使用されます。

■くずきりの作り方

葛粉を水に溶き型に流し、加熱して固めます。板状に固まったくずきりを細く切れば、ご存知くずきりのでき上がり。

■食べ方

漆器に入ったくずきりに黒蜜をかけて頂くのがオーソドックスな食べ方。細長い形状なので、まるで麺類かのようにツルッと口の中に入ります。コクのある黒蜜の風味や喉ごしの良さも魅力です。

近年は、フルーツ味や黒ごま味、京都らしい抹茶味など、新しい食べ方も増えています。

スーパーなどでは、水煮のものがパック入りで売られている場合と、乾燥で売られている場合があります。水煮のパックはこんにゃくなどが置いてある売り場に、乾燥の物は乾物コーナーに置かれていることが多いです。

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sasagoi ささごい:夏鳥として飛来し、「キュウ」と鋭い声で鳴く。主に川や池、水田などの水辺で生活します。じっと立ち止まって待ち伏せし、魚を見つけると首をさっとのばして挟み取ります。葉や虫などを疑似餌にし、詰まってきた魚をとらえることもあります。
mozu モズ:いろいろな鳴き方をするうえ、カエルや虫を捕まえて枝に差す「モズのはやにえ」という不思議な習性があります。
suzumebachi すずめばち:攻撃性が高く、毎年刺されることによる死亡例は熊や蛇の被害を上回ります。黒い部分を攻撃する習性があるので、黒っぽい服装をしていると襲われる可能性が高くなります。
matumusi まつむし:立てたハネを震わせて「チンチロリン」と歯切れの良い声で鳴きます。
すずむしに比べて飼育が難しいため、近年では数が減少しており、残念ながら都市部ではその鳴き声を聞く機会が減っています。</strong

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waremo ワレモコウ:赤に見えみえない地味な色合いから「我も紅」と命名されたとか。控えめな姿が愛らしくて人気が高い。

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kazebon おわら風の盆:
おわら風の盆は、富山県富山市八尾地区で、毎年9月1日から3日にかけて行われている富山県を代表する祭です。
越中おわら節の哀切感に満ちた旋律にのって、坂が多い町の道筋で無言の踊り手たちが洗練された踊りを披露します。艶やかで優雅な女踊り、勇壮な男踊り、哀調のある音色を奏でる胡弓の調べなどが来訪者を魅了します。2006年(平成18年)に、「とやまの文化財百選(とやまの祭り百選部門)」に選定されています。おわら風の盆のスケジュールは次のようになっています。
前夜祭並びに本祭の公式スケジュール期間内は、踊り手、地方(じかた)はそれぞれ各町内で決められた衣装であるが、それ以降は地方の多くが各自思い思いの着流しに着替え、草履も履き替え町流しに出る。またOGなどが踊りに加わります。
■前夜祭
本祭前の8月20日から30日まで11日間に渡り前夜祭が行なわれます。なお、31日は本祭前の休みです。前夜祭の期間中は18時30分から20時まで八尾観光会館で風の盆の上映会・踊り方教室・踊りの鑑賞会が行われ、その後、毎夜11町(支部)が交代で20時より自町内にて町流しと輪踊りまた舞台踊りを22時まで行っている。輪踊りには一般観光客も輪に入り踊ることができます。

■本祭 9月1・2日
本祭初日と2日目は、15時から各町で町流し・輪踊りがはじまり、公式スケジュールでは23時までとされています。なお、17時から19時までは夕食のため踊りは休止となります。19時から20時35分ごろまで、八尾小学校グラウンドに特設される演舞場で競演会が行われ、各町内の優美なおわらを鑑賞することができます。
■本祭 9月3日
最終日となるこの日は、19時から各町での町流し・輪踊りがはじまります。1日、2日同様、八尾小学校グウランド、八尾観光会館のほか、何箇所か設けられる特設ステージや、各町の公民館前などでも演舞を見る事ができるほか、上新町での大輪踊り、各町の公民館前、町の辻々などでも輪踊りが行われます。
JR越中八尾駅に最も近い福島支部の踊り手たちは、毎年4日早朝、越中八尾駅ホームにて富山駅行き、猪谷駅行き始発列車の乗客をおわらで見送る「見送りおわら」を行っているそうです。

残暑が厳しい節季です

rittl暦の上では秋ですが、まだまだ厳しい暑さに見舞われます。秋分を過ぎた後の暑さのことを残暑と呼びますが、暑い中にも、吹いてくる風や雲の形などに秋の気配をほのかに感じることができる時季なのです。「秋分」は次の「処暑」までの間の8月7日から8月22日頃までの期間です。

skehai higurasi 秋虫の声:秋のイメージが強いヒグラシですが、夕暮れ時に響き渡るどこか切ない鳴き声が秋のイメージに合っているのかもしれません。コオロギやキリギリスが鳴き始めるのは8月下旬からです。

■七十二候の区分

syokou risyokou 涼風至(すずかぜ、いたる)8月7日から8月12日頃まで。
秋の涼しい風が吹き始めるころという意味ですが、実際にはまだまだ暑さが続き、昼間の気温は、さほど夏と変わらないが、夕暮れ時期になると軽やかな風が吹くのが分かります。
sjikou rijikou 寒蝉鳴(ひぐらし、なく)8月13日から8月17日頃まで。
「カナカナ」と鳴くヒグラシの声が耳に届き、夏の終わりを感じるころです。その鳴き声に、どこか去り行く夏を惜しむかのような気持ちを感じさせてくれます。
matukou rimakkou 蒙霧升降(のうむ、しょうりゅうす) 8月18日から8月22日頃まで。
残暑が厳しい時候だが、朝夕の空気はヒンヤリとしたものになってきます。早朝、守屋水辺などには白く霧が立ち込める様子が見られます。
春にも同じような現象が起きますが、こちらは霞と呼ばれます。

■旬のもの

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suzuki すずき:夏を代表する白身の魚であり、別名シーバスと言います。夏は汽水域に生息し、秋から冬にかけて海に戻ります。出世魚であり、60センチ以上のものをスズキと呼びます。
刺身もいいが、洗いにすると身がしまっておいしい。
togan とうがん:利尿効果があるので中国では薬膳料理にも使われます。低カロリーで、95%以上が水分。含め煮をはじめとする煮物や、炒め物にすると美味です。
生のしぼり汁は、発熱時や糖尿病の喉の渇きなどに効果があると言われています。
ichijiku いちじく:いちじくを「無花果」を書くのは花がないからではなく、実の中で白い小さな花を無数につけるが、外から見えない食べです。生食やジャムやシロップ漬けなどにして食べられます。
momo 桃:軟らかくてジューシーな甘さが特徴。桃の葉にはタンニンやマグネシュームなど、消炎・解熱効果がある成分が含まれています。葉を布袋に入れて浴槽に漬けておくと、かぶれ、日焼けなどに効果があると言われています。
kabosu かぼす:ゆずに似た似た果実であり、枝にはトゲがあります。さわやかな香りは、焼き魚や土瓶蒸しなど、素材の味わいを引き立たせるような料理に合います。生産量のほとんどが大分県産です。

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kasasagi かささぎ:けたたましい声で鳴く尾の長い白と黒の鳥。佐賀県の天然記念物であり、同県の県鳥です。エサは地上に降りて取ることが多く、昆虫類などの動物や穀類や、時には柿の実などもたべます。
semi セミ:日本には32種類がいると言われます。夏になると一日中啼いているように聞こえますが、午前中はクマゼミ、アブラゼミやツクツクボウシは午後といったように種類によって鳴く時間帯が異なるそうです。
onbubatta おんぶばった:小さなオスがメスの背中に乗っている時間が長いことからこの名前がついたそうです。生い茂った草原などで見られ、簡単に捕まえられるが、口から黒っぽい汁を出すことがあります。跳ねるのみで飛ぶことは稀です。

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kituri 黄釣船:「きつりふね」と読みます。学名はインパティエンスといいます。ラテン語で「我慢できない、耐えられない」という意味で、果実が触れられると弾けて、種子を勢いよく飛ばす性質からきてるそうです。
sarasi 晒菜升麻:「さらしなしょうま」と読みます。日本中の山地や林内に生育します。高さは1メートル以上にもなり、茎の先端に20センチほどの円柱状の小花を多数つけます。かつて若菜をゆで、水にさらして苦味を取って料理したことからこの名がついたそうです。

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awaodori 徳島市阿波踊り:徳島市阿波おどりは、徳島県徳島市で毎年8月12日 – 15日のお盆期間に開催される盆踊りです。江戸時代より約400年続く日本の伝統芸能の一つ。
阿波踊り発祥の地である徳島県(旧阿波国)では8月になると各地で阿波踊りが開催されます。徳島市阿波おどりはその中でも突出した規模と知名度を誇ります。
人口約26万人の徳島市に例年、全国から120万人を超える観光客が集まるそうです。
この期間中は毎日、開演は18:00で徳島駅南側の繁華街一帯が18:00 – 23:00の5時間にわたって歩行者天国となり、全域が阿波踊り一色となります。
また、昼間は市内のホールで公演が行われるほか、夕方になると公園などでリハーサル風景を見ることができる。最終日は、全演舞場の公演が終了した後でも、暫くの間小規模な輪踊りをしている様子も見られ、夜通し街中には鉦と太鼓の音が止むことは無い有様です。
阿波踊りでは踊りのグループを連(れん)と呼び、徳島市阿波おどりの参加連は2010年度で1000組に上ります。街頭での飛び入り参加まで含めると総参加者数は10万人にもなるといわれています。
そのうち踊りの技術のある「有名連」が40 – 45組、企業の社員やその家族で構成された「企業連」、学生による「学生連」、気の合う仲間が集まってできた連などがあります。

猛暑が続きます

taisyottl容赦なく太陽が照りつけ、大地からは陽炎がユラユラと立ちのぼり、うだるような暑さが続くころ。人々は知恵と感性で、自然の中に涼を求めました。土用ウナギなどの食養生も、猛暑を乗り切るための習わしです。「大暑」は次の「立秋」までの間の7月23日から8月6日頃までの期間です。

skehai yudachi 夕立ち:昼間の強い日差しにより積乱雲が発生し午後から夕方にかけて雷を伴った大雨を降らせます。でも夕立が去ると打ち水をしたように気温も下がり過ごしやすい夜を迎えられます。

■七十二候の区分

syokou daisyokou 桐始結花(きり、はじめてはなをむすぶ)7月23日から7月27日頃まで。
桐が天に向かって花を咲かせ、卵型の実をつけるころ。神聖な木とされる桐は、日本国政府の紋章にも試用されています。
sjikou daijikou 土潤辱暑(つちうるおって、むしあつし)7月28日から8月1日頃まで。
熱気がまとわりつき、蒸し暑さが増ころです。草木は太陽の光をめいっぱい浴び、濃いい緑に色づきます。
matukou daimakkou 大雨時行(おおあめ、ときどきふる) 8月2日から8月6日頃まで。
5~6月夏は時に激しい雨が襲ってきます。ムクムクと入道雲が湧き上がると夕立が来るサインです。暑さが流され、ひと時の清涼をもたらします。

■旬のもの

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okoze おこぜ:グロテスクな容貌を持ち、背びれの針に毒を持っている。しかし、定番料理としては薄造り、から揚げ、みそ汁などにすると美味です。
iwasi 鰯:腹の上部にはっきりとした黒点が、7個程度あるので「ななつぼし」とも呼ばれます。栄養満点で値段も安い点が、大衆魚としての地位を不動のものとしています。ただし、とても傷みやすいので注意が必要です。
tachi 太刀魚:銀色に輝き、細長く平たい体が本物の刀のように見えるユニークな魚です。鋭い口でいかやたこ、鰯などを餌にします。新鮮なものは刺身で食べられるが、塩焼きにしても美味しい。
isaki イサキ:身が太り、腹には白子や真子を抱えている時期です。特にイサキの真子は初夏限定の味覚として人気が高い。
suzuki スズキ:成長に合わせてセイゴ、フッコ、スズキと名が変わる出世魚。引き締まった白身は刺身、洗いで食べると格別美味です。
umi ウニ:5月ごろから味が良くなり、お盆ごろまでが食べごろです。生はもちろん、蒸したものも美味です。
myouga みょうが:ほのかな苦味、シャキッとした歯ざわりが特徴。食用にしているのは日本のみです。香り成分は食欲増進などに効果がります。解毒作用もあるので、夏バテにも効きます。
suika すいか:中国を経て、日本に渡ったのは平安時代だといわれています。約90%が水分で10%近くが糖分。利尿作用があり、老廃物の排出を促します。カリウム、シトルリンが多く含まれます。

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usubakage ウスバカゲロウ:幼虫は縁の下にすり鉢状の巣をつくる蟻地獄。成虫はトンボに似ていて、昼間は葉の影などにじっととまっているが、夜になると活発に動き始めます。ぎこちなく飛び、明かりに集まってきます。
abura アブラゼミ:「ジリジリジリ・・・」という鳴き声は、まるで油が煮えたぎるようです。
yotaka 夜鷹:夏鳥として飛来します。ふくろうと同様羽毛が柔らかく、ふわふわと羽ばたき羽音を立てずに飛びます。全身が枯葉模様であり、それがカムフラージュとなって身を守っています。

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yoimachi 待宵草:宵を待って穴が咲くことからこの名がついたといわれます。荒地や瘠せ地、放置された畑や路肩のような場所に生え、ほかの植物が成長してくると姿を消します。情緒的な姿から歌にも詠まれました。

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nebuta ねぶた祭:東北三大祭りの一つ、「青森ねぶた祭」。青森市中心部を「人形ねぶた」と呼ばれる山車が運行し、「跳人(ハネト)」と呼ばれる踊り子たちが「ラッセラー、ラッセラー」と掛け声を上げながら踊り歩きます。毎年8月2~7日に開催され、全国から約300万人の観光客が訪れる青森の夏の風物詩です。
青森県内にはさまざまな「ねぶた・ねぷた」があり、扇型の山車を中心に運行する「弘前ねぷた」、高さ20mもの巨大な山車が特徴の「五所川原立佞武多(たちねぷた)」など、それぞれ異なる「ねぶた・ねぷた」で北国の短い夏を謳歌しています。その中でも最も知名度が高いのが、「青森ねぶた祭」なのです。
初日の8月2日と翌3日は、子どもねぶた・担ぎねぶたが参加。大型ねぶたと合わせて約30台が運行します。子どもねぶた・担ぎねぶたとは、地域の子どもや学生たち、町会が制作したもの。後継者育成や子どもたちにも参加する喜びを伝えるといった趣旨があるそうです。

梅雨が明け夏本番です

syottl長く続いた梅雨が終わりを告げ、いよいよ夏本番。青い空が広がり、太陽が顔を出せば、気温はグングン上昇、風は暖かく、あちこちでセミの鳴き声が響き始めます。季節に色のイメージを当てはめた「朱夏」という呼び名もあります。暑中見舞いを出すのもこの頃です。「小暑」は次の「大暑」までの間の7月7日から7月22日頃までの期間です。 

skehai tuyuake 梅雨明け:この小暑の頃に梅雨明けとなります。いよいよ本格的な夏の到来となりますが、台風シーズンと併せて集中豪雨が起こりやすい季節でもあります。

■七十二候の区分

syokou syosyokou 温風至(あつかぜ、いたる)7月7日から7月11日頃まで。 風が熱気を運んでくるころ。同じ南風でも梅雨時は「黒南風」、梅雨明け時は「白南風」と風に色を付けて呼んでいたという。
sjikou syojikou 蓮始開(はす、はじめてひらく)7月12日から7月17日頃まで。 夜明けととともに、ゆっくりとつぼみをほどくハスの花。水面からスッと伸びた幾重もの花びらを開く様子はとても幻想的です。
matukou syomakkou 鷹乃学習(たか、わざをならう) 7月18日から7月22日頃まで。 5~6月ごろに生まれた鷹のヒナが、巣立ちの準備を始めるころ。飛び方を覚え、獲物の捕り方を練習し、一人前になっていきます。

■旬のもの

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gooya ゴーヤ:沖縄野菜の代表。育てやすいため家庭栽培でも人気が高い。個性豊かな苦み成分は夏バテ対策にも力を発揮します。
るごとスライスして乾燥させればお茶になります。
sijimi しじみ:よいダシが出るため、みそ汁の具としてよく使われます。肝臓病に効果があることでも知られています。身の部分にはカルシュームが含まれているため、残さず食べておきたいものです。
unagi うなぎ:日本の食文化に深い関わりがあり、精がつく食材としても知られています。海で産卵して、皮で大きくなります。血液には毒性があるため、生食はできません。
karei カレイ:冬場の子持ちカレイも美味ですが、身が肥えて美味しいのは夏です。ほどよく脂がのった白身は刺身にすると絶品です。
sumomo 李:日本で扱われている李(すもも)の多くは、中国原産のものです。日本での主な原産地は山梨県です。豊富に含まれる鉄分は貧血に、カリウムは便秘解消によいと言われています。
momo 桃:季語では秋に分類されますが、旬は夏です。ちょうどお盆のころから出回り始めます。新鮮なものは洗って皮ごと食べられます。

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soumen そうめん:夏の味覚の代表格であり、涼を感じさせる食べ物です。季節の野菜と合わせてサラダ風にアレンジもされます。
由来は中国から伝わった「索餅(さくべい)」という菓子が元になったという説が有力です。
unajuu うな重:滋養強壮食品のうなぎにはビタミンA、蛋白質、脂質などが含まれます。土用の丑の日にうなぎを食べるのは、江戸時代、うなぎ屋から相談された平賀源内が「土用の丑の日」と、店頭に看板を掲げたことが始まりとされています。

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taka 鷹:日本では山陰から近畿以北で繁殖します。亜高山から平地の林に生息するが、しばしば獲物を求めて農耕地や水辺などへも出てきます。獲物は主にツグミなどの小鳥や、ハトやキジなどの中型の鳥です。
kabutomusi カブトムシ:子供たちの人気をクワガタと二分する夏の昆虫の王者。夜、雑木林などで樹液に集まる姿が見られます。幼虫は腐った木や堆肥の下でよく見られます。

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hasu 蓮:蓮華(れんげ)とも呼ばれ、仏教とともに渡来し、その名は古くから使われていました。清らかさの象徴とされており、仏教では釈迦誕生のとき、母親の周りには蓮の花が咲き乱れ、釈迦はその中の一つの上に立ち「天上天下唯我独尊」と第一声を発したと伝えられています。
sarusuberi サルスベリ:約100日間花を咲かせることから「百日紅」(さるすべり)と呼ばれます。鮮やかなピンクや白の花は真夏の青空によく映えます。

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tanabata 七夕:五節句の一つで、旧暦の7月7日に、織り姫と彦星が一年に一度だけ会うことを許されたという七夕伝説に由来するといわれます。また、古い習わしでは七夕は続く7月15日のお盆の準備をする日とされ、笹の葉を川に流す風習も身を清める儀式に由来するといわれます。
古くは精霊棚を飾り付け収穫物を供える神事でしたが、現在では笹竹に願いを書いた五色の短冊や魔除けの吹き流しなどの飾りつけをし、七夕が終わると川や海に流していました。
行事食として、そうめんを食べる習慣もあります。
七夕に由来するといわれる「仙台七夕祭り」・「ねぶた祭り」・「秋田竿灯祭り」(東北三大祭り)も有名です。
hoozuki ほおずき市:浅草の浅草寺で開かれるのが有名です。
江戸時代には、7月10日に一番乗りで参拝したいという熱心な人が多く、前日の9日より参拝者で賑わうようになったため、7月9日と10日の両日が「四万六千日のご縁日」として広く知られるようになったといわれています。この「四万六千日」のご縁日にちなんで、7月9日と10日の両日に浅草寺では「ほおずき市」が開かれます。
もともと、東京港区の愛宕神社ではじまった「ほおずき市」が浅草寺に波及して行われるようになり、今ではむしろ浅草寺の「ほおずき市」の方が有名に。
例年「ほおずき市」の日は、浅草寺境内に約120のほおずきを扱う露天が立ち並び、朝早くから夜遅くまで多くの人で賑わいます。
また、ほおずきの鉢につけられた風鈴の涼しげな音色が、下町の賑やかな夏祭りを彩ります。
浅草寺で「四万六千日」のご縁日の2日間に限り授与される黄色の掛け紙の祈祷札『黄札』や『雷除札(かみなりよけふだ)』も大変人気があります。

1年で昼が長い節季

gesittl恵みの雨が降り注ぎ、植えつけた作物はすくすくと成長する節季です。夏至は、北半球では一年中で一番昼が長く、夜が短い日を意味しています。ただ、梅雨の時期と重なることが多いため、さほど日が長く感じられないことも多いでしょう。1年で一番日が長い夏至を過ぎると、夏に向かって暑さが増していきます。
「夏至」は次の「小暑」までの間の6月21日から7月6日頃までの期間です。
 

skehai gesiniji 虹:夏は激しいにわか雨-夕立の季節です。一気に降ってすぐに上がり日差しが戻ると太陽の反対側に虹が見られることあります。

■七十二候の区分

syokou gesisyokou 乃東枯(なつかれくさ、かるる)6月21日から6月26日頃まで。 冬に芽を出した夏枯草が枯れていくころ。夏の花が咲く時期に、枯れ行く花を思う、優しさに溢れる言葉です。
sjikou gesijikou 菖蒲華(しょうぶ、はなさく)6月27日から7月1日頃まで。 アヤメは梅雨の到来を告げる花です。カキツバタやショウブと似ていますが、花びらに網目模様があるものがアヤメです。
matukou gesimakkou 半夏生(はんげ、しょうず) 7月2日から7月6日頃まで。 半夏(からすびしゃく)が生えると田植えを終えるのが目安。このころ半化粧の草の葉も白く染まります。

■旬のもの

syokuzai

kiuri きうり:路地物が旬を迎えるころです。じめじめとした蒸し暑い梅雨時に、江戸っ子はアイス感覚でキュウリを齧ったのだとか。ビタミンC、カリウム、カロテンなどをバランスよく含みます。
siso しそ:青じそと赤字素に分けられます。青じそは香りを生かし、薬味やつまものに利用されることが多い。赤じそはしそ酢にすると入相がとても美しい。
edamame 枝豆:「黒崎茶豆」「だだちゃ豆」等、日本では400種以上あるといわれています。ビタミンC、カロテン、イソフラボンなどが含まれています。すりつぶした枝豆に砂糖を入れ、甘く味付けた「ずんだ」は東北地方の郷土料理で有名です。
mizunasu 水なす:大阪泉州地方の特産品種です。軟らかく、みずみずしいのが特徴です。

kakkou かっこう:名前の通り「カッコウ」と鳴くことで有名ですが、産卵途中のほかの鶏の卵を一つくわえとり、その巣に自分の卵を紛れ込ませる「托卵」をすることで知られます。

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ayame 菖蒲:「菖蒲」と書いて「あやめ」とも「しょうぶ」とも読みます。見た目も似ているが、草丈は低く、畑のような乾燥地で栽培されるのがあやめ。剣形の葉がきちんと並んで生える様子が、斜めの線が交わった模様が「文(あや)」に似ていることからあやめという名がついたと言われています。
utubokusa うつぼ草:うつぼとは、武士が矢を入れて持ち歩いた長いかご状の用具のことです。夏になると葉を残して花は枯れてしまい黒くなります。花を乾燥させたものは漢方薬として用いられます。利尿、消炎、抗菌、血圧降下の薬として利用されます。

sgyouji

maturi 祇園祭:コンコンチキチン、コンチキチン。祇園囃子とともに、7月の京都は祇園祭一色。祇園祭は千年以上の歴史を持ち、7月1日(吉符入)から31日(疫神社夏越祭)まで、1か月にわたって多彩な祭事が行われる八坂神社の祭礼です。なかでも17日(前祭)と24日(後祭)の山鉾巡行、そしてそれぞれの宵山には大勢の人々が訪れ、京のまちは祭りの熱気に包まれます。
祇園祭は八坂神社の祭礼で、その祭事は、7月1日の「吉符入」に始まり7月31日の「疫神社夏越祭」まで、およそ1か月にわたって行われます。なかでも、祭のハイライトは7月17日と7月24日に行われる八坂神社の神興渡御と33基の山鉾巡行。「京都祇園祭の山鉾行事」はユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
nagosi 夏越の祓:旧暦の6月末に行われる「夏越の祓」は、半年分のケガレを落とす行事で、この後の半年の健康と厄除けを祈願します。由来は神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)にまで遡るそうですが、新暦に移った現在でも、6月30日ごろ日本各地の神社で行なわれている伝統行事です。
半年に一度の厄落としである6月の「夏越の祓」。さらに半年後の12月末には、同様に厄除けをする「年越の祓」があります。この二つは対になる行事で、心身を清めてお盆や新しい年を迎えるためのもの。大晦日の年越し行事のような派手さはありませんが、「夏越の祓」も大切な節目の行事とされています。
厄落としの方法として「茅の輪くぐり」が行われます。
茅の輪とは、チガヤという草で編んだ輪のことです。神社の境内に作られた大きな茅の輪の中を「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながら8の字を書くように3度くぐり抜けます。茅の輪をくぐることで、病気や災いを免れることができるとされています。
京都には「夏越しの祓」の日に食べる伝統的な和菓子があります。「水無月」と呼ばれ、ういろうの上に邪気を祓うあずきがのった三角形のお菓子で、三角形は削りたての氷を表しています。

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