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七十二候と二十四節気について

今まで節気毎に「日本の七十二候を楽しむ」という本に基づいて、その節気の意味や旬の魚介類・旬の果物などの紹介をしてきましたが、おっさん自身が七十二候と二十四節気の関係をよく知らずに紹介して来たことに気付かされました。
「大寒」について紹介したとき、二十四節気と七十二候の最後を飾るのが「大寒」とお話ししました。
なぜ「大寒」が節気の最後になるのかということを本に書かれている通りに紹介しただけでした。
節気では、1年は「立春」から始まり「大寒」で終わるという仕組みになっていることなのです。

そして二十四節気と七十二候とはどのような関係があるのでしょうか。
「にっぽんの七十二候」(株式会社枻(えい)出版社)による解説を整理すると次のようになります。

●二十四節気
太陽の運行をもとに、1年を二十四に分けたもので、季節の指標となる大切な暦なのです。
立春、立夏、立秋、立冬の4つの季節を設定して、それぞれの季節を6つの節気に分け、正しく季節を把握するために使われてきた暦なのです。
これをもとに農作業や行事が行われていたのです。
立春→立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨
立夏→立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑
立秋→立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降
立冬→立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒

●七十二候
日本独自に発達した暦です。二十四節気の、ひとつの節気をさらに3つに分けたものです。5日ごとに「初候」「次候」「末候」として、それぞれの季節を短い言葉で表した季節の告知板みたいなものです。
例えば、「立春」をさらに初候、次候そして末候に分けて、
立春・初候→東風解氷(はるかぜこおりをとく)
立春・次候→黄鶯睍睆(うぐいすなく)
立春・末候→魚上氷(うおこおりをいずる)
という具合に短い言葉で表したものです。

ということで、1年の始まりは節分の翌日から始まる「立春」からです。

「日本の七十二候を楽しむ」という本は少し古いので、「立春」の紹介からは「にっぽんの七十二候」の本をもとにして行うつもりです。

一年でもっとも寒さが厳しいころです

おおよそ今日から2月3日ごろまでは「大寒」といって寒さが厳しいころです。しかし日がしだいに長くなり、春へ向かう時期でもあります。
(注)例年ですと1月20日から「大寒」が始まりますが、2016年は1月21日からだそうです。
寒暖をくり返しながらだんだん春になっていきます。「三寒四温」ですね。

二十四節気や七十二候では最後の候となります。
何時ものように七十二候でお話しを進めます。
大寒も3つの候に分けられています。

・初候-款冬華さく(ふきのとうはなさく)。蕗の花が咲き始めるころです。1月20日~24日ごろです。
・次候-水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし)。沢の水が厚く張りつめるころ。この時期に最低気温を記録します。1月25日~29日ごろです。
・末候-鶏始めて乳す。鶏が卵を産みはじめるころ。1月30日~2月3日ごろです。

◆旬の魚介 赤貝、わかさぎ、めひかり

akagai wakasagi

mehikari

下の写真の「めひかり」は、東日本大震災前は小名浜の親戚で食べさせていただいたものです。

◆旬の野菜 小松菜、みずな

komatuna mizuna

◆旬の草花 南天、福寿草

nanten fukujusou

南天は、「難を転じる」という意味に通じることから縁起が良いとされています。
我が家の庭には、どうした訳か金木犀の木の間から南天が顔を覗かせています。
◆旬の野鳥 あおじ、じょうびたき

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◆旬の果物 金柑

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◆旬の日 初地蔵、晦日正月
・初地蔵

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初地蔵は街の人にとって今年一年を占うほどの縁日です。その年の初めの縁日にあたる1月24日がその日です。
社会の不安やお身体,家庭の不安も一度に取り去る御利益を頂く縁日です。
・晦日正月
1月31日のことで、晦日宵とか晦日節(みそかぜち)などと呼ばれます。正月を締めくくる日なのです。
◆旬の行事 節分

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節分は、雑節の一つで、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことで、「季節を分ける」ことをも意味しています。江戸時代以降は特に立春(毎年2月4日ごろ)の前日を指す場合が多いそうです。
一般的には「福は内、鬼は外」と声を出しながら福豆(炒り大豆)を撒いて、年齢の数だけ(もしくは1つ多く)豆を食べて厄除けを行います。また、邪気除けの柊鰯などを飾るところもあります。
最近、節分に「恵方巻」を食べるようになりました。

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恵方巻きの食べ方のルールです。

『ルール1』太巻きをひとりにつき1本準備する。
福を巻き込むことから巻き寿司。縁を切らないよう包丁を入れずに丸ごと1本。七福神にあやかり7種類の具が入った太巻きが望ましい。巻き寿司を鬼の金棒に見立て、それを退治する意味もあるらしい。

『ルール2』恵方を向く
恵方とは、その年の幸福を司る歳徳神(としとくじん。年神様の別称)のいる方角のことで、その年の最も良いとされる方角です。
2016年の恵方は、南南東(正しくは南微東で、南南東やや右)です。

『ルール3』願いごとをしながら、黙々と最後まで食べる
しゃべると運が逃げてしまうので、食べ終わるまでは絶対に口をきいてはいけません。

 

小寒の氷、大寒に解く

一年で最も寒い時期を「寒」といいます。
「小寒」からはじまり「大寒」と続きます。小寒からはじまるので「寒の入り」になります。立春になる寒の明けまでの約一か月が寒の内です。
表題にある言葉のように、小寒に張った氷が大寒に解けるほど、むしろ小寒のほうが寒いと感じる時もあります。
寒さが苦手なオッサンには寒の内はただ黙って火鉢を抱えることに専念しなければならない時期なのです。

2016年の「小寒」は1月6日から始まるとされていますが、二十四節気や七十二候では一般的に言われている1月5日を「小寒」の入りとして説明されています。

何時ものように七十二候の資料でお話しを進めて行きます。
小寒も3つの候に分けられています。

①初候-芹乃栄う、芹がすくすくっと群れ生えてくるころ。新暦のおおよそ1月5日~9日ごろまでで、7日には春の七草を入れた七草粥をいただきます。
②次候-水泉動く、地中で凍っていた泉が動き始めるころ。新暦のおおよそ1月10日~14日ごろまでで、11日に鏡開きをします。
③末候-雉始めて雊く、雉のオスが、メスに恋して鳴き始めるころ。新暦のおおよそ1月15日~19日ごろまでで、15日は小正月です。

七草粥に入れられる春の七草の名前を言えますか?

harunanakusaこれが春の七草を揃えたものですが、名前を言ってください。覚えていない方は下の候のことばの項を見てください。

◆旬の魚介 真鱈、氷下魚、鮟鱇

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ankou 
一見すると外見は怖い顔をしていますが、特に鮟鱇鍋は美味ですね。鍋をつつきながら日本酒を傾けるなんて乙なものです。

◆旬の野菜 春菊、蕪

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◆旬の草花 柊、蝋梅

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柊は、常緑のつややかな葉はトゲトゲしていて、「疼く」(ひりひり痛む)が名の由来だそうです。古来、魔除けとして庭に植えるとよいと言われています。
蝋梅が咲く頃は旧暦では十二月になるので、別名「蝋月」と呼ばれこれが花の名の由来だとか。

◆旬の野鳥 雉
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◆旬の行事 どんど焼き、鏡開き
・どんど焼き
「どんど焼き」とは小正月(こしょうがつ=1月15日)の行事で、正月の松飾り・注連縄(しめなわ)・書き初めなどを家々から持ち寄り、一箇所に積み上げて燃やすという、日本全国に伝わるお正月の火祭り行事です。

・鏡開き
鏡開きあるいは鏡割り(かがみわり)とは、正月に神(年神)や仏に供えた鏡餅を下げて食べる、日本の年中行事であり、神仏に感謝し、またその供えられたものを頂いて無病息災などを祈って、汁粉・雑煮などで食べます。

◆候のことば
・十日戎
関西を中心に行われている祭事で商売繁盛・家内安全・交通安全を願い年初めの『縁起物』(福笹・熊手)を求め、多くの人が参拝します。9日を宵えびす、10日が本えびす、11日を残り福と呼びます。
「戎(恵比寿)」様は、「七福神」の中の一人で、釣り竿と鯛を両手に持ってほほえんでいる神様です。遠くの海からやってきて人々をしあわせにする神様だといわれ、漁業の神、商売繁盛の神、福の神と言われます。

・小正月
小正月(こしょうがつ)とは、正月15日の行事です。あるいは、14日から16日までの3日間、または、14日の日没から15日の日没まで、または、望(満月)の日、または、元日から15日までの15日間とされる地域もあるそうです。元日を大正月と呼ぶのに対して小正月と呼ぶそうです。

・春の七草
せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな(蕪)そしてすずしろ(大根)を言います。

冬至です

忘年会やクリスマスなど一年の締めくくりで忙しい12月。とは言ってもオッサンにとっては忘年会やクリスマスはほとんど関係ありませんが。

新暦の今日12月22日は「冬至」の入りです。七十二候では12月21日となっていますが。

調べて見たら、

二十四節気の一。12月22日ごろ。太陽の中心が冬至点を通過する。北半球では一年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日。この日にはゆず湯に入ったり、地方によってはカボチャを食べたりする風習がある。

ということで、七十二候と二十四節気では1日違いますが、冬至は、基本的には12月22日、うるう年は12月21日です。この違いなのですね。

「冬至」は一年で一番昼が短いと言われていますが、日の入りの時間がいちばん早いわけではありません。通常、日の入りが一年で最も早いのは「冬至1週間前」頃です。

ここからは何時もの通り七十二候に話を戻します。

「冬至」も3つの候に分けられています。
①初候-乃東生ず(なつかれくさしょうず)、うつぼぐさの芽が出てくるころ。
新暦の12月21日~25日ごろまで。
②次候-麋角解つる(しかのつのおつる)、大鹿の角が生え代わるころ。
新暦の12月26日~12月30日ごろまで。
12月30日は「小晦日」で、31日は「大晦日」ですね。
③末候-雪下麦を出だす、降り積もる雪の下で、麦が芽を出すころ。
12月31日~1月4日ごろまで。

冬至というとまず「ゆず湯に入る」ですね。これは江戸時代初期の銭湯から始まったようです。「冬至」とお湯で療養する「湯治(とうじ)」を語呂合わせしたとも言われますし、ゆずは「融通」にかけたと言われます。

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そして冬至には「かぼちゃを食べる」は今もかなり定着しています。「冬至にかぼちゃを食べると中気(中風)にならない」とよく言いますね。また冬至に「ん」のつくものを食べると「運」を呼び込む、ということで、なんきん、れんこん、ぎんなん、うどん などを食べる地域もあるそうです。(なんきんとはカボチャ(南瓜)のことです)
ちなみに後、かんてん、きんかん、にんじん を入れて「冬至の七種」と言うところもあるそうです。

オッサンも一応昨日南瓜を煮て食べました。久しぶりに食べたけど美味しかった!!

◆旬の魚介-くろまぐろ、鯉、伊勢海老

kuromaguro koi  

iseebi

◆旬の草花-千両・万両

senryou manryou

左が千両、右が万両です。違いは分かりますね。
◆旬の野鳥-こげら、おなが、雀

kogera onaga

雀よくご存知だと思うので画像の掲載は見送りました。
◆旬の野菜-かぼちゃ、百合根

kabocha yurine

◆旬の行事-歳の市、年越しそば
・歳の市
年末に立つ市で,年神祭の用具や正月用の飾物,雑貨,衣類,海産物の類を売るのを目的としています。かつて毎月の定期市のうち,その年最後の市を正月用品販売にあてる場合が多かったので,暮市,節季市,ツメ市などともいわれます。

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・年越しそば
そばは他の麺類と比べて切れやすい事から「今年一年の厄を断ち切る」という意味で、江戸時代から大晦日の夜に食べる風習が生まれたとされています。また、昔からそばは体によいものとされ、食べると内蔵に溜まった毒を取り払ってくれると思われていました。
そのため、新しい年を健康で迎えられるように、大晦日の夜にそばを食べたとされています。

そして年越しそばは何時食べるものでしょうか?
年越しそばを食べるタイミングでもっとも多いのは、やはり大晦日の夜に除夜の鐘を聞きながら、というのが多いようです。もしくは夕食時に食べる方もいらっしゃるようです。
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オッサンがイメージする年越しそばです。

いよいよ本格的に雪が

七十二候によると「大雪」を迎えます。
いよいよ本格的に雪が降り出す頃のことです。雪の結晶は「花のよう」、「雪の花」、「六華」、「銀花」などと趣の風情がありますが、北陸・東北地方の降雪地方では雪かきなどで苦労されることでしょうね。

●初候-およそ12月7日から11日ごろまでで、「閉塞く冬と成る」("そらさむくふゆとなる"と読むのだそうです)と呼ばれます。
天地の陽気がふさがり、真冬が訪れるころなのです。

●次候-およそ12月12日から15日ごろまでで、「熊穴に蟄る」と呼ばれます。
熊が穴に入って冬ごもりをする頃なのです。

●末候-およそ12月16日から20日ごろまでで、「鱖魚群がる」("さけむらがる")と呼ばれます。
鮭が群れなして川を遡る頃なのです。

◆旬の魚介 ぶり、真牡蠣、鮭
ご承知の魚介類ですから説明の要はありませんね

buri kaki

sake

◆旬の野菜 大根、ねぎ、にら
ご承知の野菜ですから説明の要はありませんね。

negi nira

大根は「ふろふき大根」として紹介します。
furofuki

◆旬の野鳥 大鷺
鷺の中でもとりわけ大きな鷺。
daisagi

◆旬の虫 むらさきしじみ
羽を広げると光沢のある青紫が美しい蝶です。成虫の状態で冬を越して、春になると活動を開始します。
murasakisijimi

◆旬の草花 藪椿
yabutubaki

◆旬の行事 針供養、世田谷ボロ市、羽子板市
・針供養は、「縫い物が上手になりますようにと祈りながら、折れた針を供養する日」なのです。豆腐等の柔らかい物に折れた針を刺して供養します。12月8日に行われます。現在は一般の家庭で針を使って縫い物をすることは希なのでしょうね。
harikuyou
・世田谷ボロ市は、毎年12月15日~16日と1月15日~16日に開かれます。
古着や古道具、農産物などを持ち寄って市が開かれます。
ボロ市名物は「代官餅」だそうです。

boroichi daikanmochi


・羽子板市は、浅草の浅草寺で12月17日~19日まで縁起物の羽子板市が立ちます。
hagoita

【注】画像はWEBで検索して借用しました。

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